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ひとつひとつの工程がリハビリに!

"作るよろこび”の現場から!

『エムダブルエス日高デイトレセンター』見学レポート

 

 

今回、特徴的な施設づくりで人気が高く、全国から福祉関係者が見学に来られるという、噂のデイトレセンター、群馬県高崎市のエムダブルエス日高地域福祉センターを見学させていただきました。

 

←話題のカーリングの室内版。

 とっても楽しそうでした。

玄関を入ると広いワンフロアにはいくつものテーブルが並び、デイサービスを利用する多くの方々が訪れていました。カフェでお茶を飲みながらおしゃべりする方、木でできたパズルの様なものに熱中している様子の方、男性のみが集まるテーブルでは、皆でゴルフ中継を観戦されています。

2階へ上がると、右手にはスポーツジム、その他いくつもの個室が並び、中央に広く空いたスペースでは「カーリング」が始まりました。

その周囲は特徴的で、一周80メートルの歩行トラックになっており、ウォーキングができるようになっています。


”両親を通わせたい施設”施設を目指して

 

 壁の掲示板には、体操をはじめ、囲碁やパソコン教室、書道や陶芸、英会話教室など多種多様なプログラムの案内が貼られています。

 個室を覗くと「パソコン」が並んだ部屋、畳敷きの「和室」、簡単な「トレーニング機器」が並ぶ部屋に「ダーツ盤」や「シミュレーションゴルフ」まで。まるでアミューズメントパークの様です。デイサービスの利用者様は、それぞれに自分でプログラムを選び、どう過ごすかは自由だそうです。

 

 

 

各々に、興味のある事をして過ごし、利用者同士や、職員の方との会話も弾む自由で明るい雰囲気が印象的でした。

 センター内を案内してくださった職員の須田様は『両親を通わせたいと思う施設』という施設の理念のもと「皆さんが来たい、やりたいと思ってくれるのが一番。それが体力づくり、リハビリの効果につながるんです。そのサポートをさせてもらえる、これがすべての職員のモチベーションになっているんです」と語られています。



一番人気は手芸教室

 

手芸教室の行われている部屋にお邪魔しました。

備え付けの棚の扉を開くとそこには利用者様一人ひとりのお名前付きのカゴが綺麗に並べてありました。一人ずつハサミや目打ちなどの道具と共に、作りかけの作品を保管しているそう。

ほとんどの方が、週2回参加され、少しづつ自分のペースで作品を完成させていらっしゃるそうです。

 

 手芸教室の高橋様にお話を伺いました。「始めは五名ほどの参加者でスタートした手芸教室。その時は、お裁縫など何か手作りをするものを職員が考えてやっていたけれど、準備も運営も大変で。そんな時に、こんなのもあるよと『さくらほりきり』を教えてもらったんです」。まず職員の方々が試してみたそうで「これならいいねとなり、実際に使い始めたら参加者が増えてきたんです。」


作る過程すべてがリハビリ

 手芸教室には、毎日のように見学者も来られるそうで、『きめこみパッチワーク』の小さなキットを体験してもらうと、ほとんどの方がやりたいと言ってくれるそうです。中には利用者様が、お友達を連れてきてくれることも。

 体験してもらい”何ができて、何ができないか”を職員が確認し、それを職員全員で共有されているそうです。

 

「目的はリハビリ。さくらほりきりのキットは、過程が多様にあるのが良いんです。」「ハサミが使える人、使えない人、シールをはがせないならそこはサポートして、その方の状況に応じて、できるところからやらせてあげられる」

「数字を書き込む、数字の場所を確認して貼るなども、すべてリハビリにつながるんです」と高橋様。そういった点でも人気があるのは『きめこみパッチワーク』や『さくらあーと』、『刺繍糸の詩』など。

 

力がなくてきめこみパッチワークができなくても、さくらあーとならできる、といった風に選べることも大変助かります」

 

『きめこみパッチワーク』も『さくらあーと』も、小さいものより特大サイズなど、時間をかけてじっくり取り組める商品が人気。

「完成度が高くて見栄えがするというのも大事なんです。「こんなすごいのができた!」と喜んでもらえるのも、さくらほりきりのキットならではです」

 見学中にも、特大サイスやワイド型の「きめこみパッチワーク」を完成させた利用者様が。職員の方が額に入れて「〇〇さん完成です!」「すごくきれいね」と、他の利用者様と共に喜び合い、皆で拍手するシーンもありました。完成させた方は達成感で大満足!!

▲きめこみパッチワークをいくつも作られているというベテランさんも。

▲皆さん真剣に取り組まれています。

▲番号を確認!これも大事な工程。



”私にもできる”が喜びに

 麻痺や、認知症の方など状況は様々ですが、「年代的に、昔は手芸など手仕事をやっていたという方が多く、少しサポートするとできるんです」と高橋様。

「以前、認知症で座っていても、すぐに『帰る』と言われてしまう方がいて。でもきめこみパッチワークをやってみると、まず座っていられるようになった。そして『おもしろい』となって、

黙って一時間、集中して出来るようになったという例があります。その方は、精神的に落ち着くようになって、ご家族の方にも、『こんなの作ったんだね』とよろこんでもらっています」と。

 「昔はできていたこと、今はもうできないと思っていることを”できるという体験”をさせてあげられる。『私にもまた、できるんだね』ということが喜びになるんです」

 

 利用者様のご家族の方が見学に来た時、「昔、こういうのを、お母さんもよくやっていた」「ぜひうちの母にもやらせて欲しい」と希望されることも多いそう。

 

 また動物をはじめ、様々な種類の花など、色々なデザインがあるさくらほりきりのキット。「次は何を作りたい、と考えるのもリハビリになる」とのこと。「私は花が好き。私は猫が好き。と好きなもの、興味のあるものを感じて、たくさんの中から選べる。自分で決める。これも大事なんです」と。

 年に2回は、近くの信用金庫で利用者様の作品を展示する機会も。多くの方の目にふれることもまた、作る意欲に繋がっている

そうです。

 

 ただ作るだけでなく、選び、作りあげて完成の喜びを感じる、すべての過程に寄り添い、サポートされる職員の方々の熱意ある姿に、感動いたしました。

 さくらほりきりの目指す”作る喜び”のある生活、そして”生きがいづくり”に、キットを役立てていただいていることに、スタッフ一同感謝して訪問を終えました。


ご利用者様のお話

 

この歳(96歳)でも作れることに感動しています。

これぐらいの大作に毎回挑戦するように

しているんです。

 

この絵の「風見鶏の館」には、行ったことないけれど、作ると行った気分になれるのね(笑)

 

パーツが細かいところとかあって、出来栄え・・・

でも遠目で見るとキレイに見えるから、

満足してます。